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ブレーキフルード交換 [ZZ-R1100]

 我が家にわんこがいなくなってから写真を撮る機会がめっきり減ってしまい、最近バイクネタが多くなっています。今回もネタ不足につきバイクの話題にお付き合い下さい。

 前記事でブレーキパッドを交換したついでにブレーキフルードも交換することにしました。ブレーキフルードの交換方法は人によって様々で、カワサキのサービスマニュアルにはブレーキ操作を繰り返しながらブレーキキャリパから古いフルードを抜く方法が記されています。ところが一人で作業する場合、ブレーキ操作とブリードバルブの開け閉めを同時に行うのは無理があります。特に左フロントキャリパのフルードを抜く時にはハンドル右側のブレーキレバーと前輪左側のブリードバルブが遠すぎてうまく操作できません。そこで、ちょっとした道具を使うことで確実に早くブレーキフルードを交換できる方法がありますので、ご参考までに紹介したいと思います。

【用意するもの】
・ブレーキフルード少々(500mLで充分。ZZ-R1100の場合DOT4を使用。)
・シリンジ(50mL程度の物をできれば2つ)
・透明チューブ(内径Φ4mmのシリコーン製の物などを1メートルくらい)
・廃油受け(ペットボトルや空き缶など)
・めがねレンチまたはスパナ(ZZ-R1100の場合10mmレンチ)

 ブレーキフルードは車両メーカー指定の規格(DOT:Department of Transportation=米国運輸省規格)に合った物ならばどの銘柄でも使用できます。ところが、作業のしやすさを考えると前に使っていた物と同じ銘柄の方が都合が良いことを痛感しました。今回、安さに釣られてヤマハのフルードを購入しましたが、後述するように色が濃すぎて交換完了のポイントがわかりにくくなってしまいました。フルードの必要量は意外に少なく、前後ブレーキとクラッチの3か所を交換しても500mLもあれば充分です。開封後は吸湿してしまって長期保存ができないので、買い過ぎてしまわない方が無難です。

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できれば前と同じ銘柄のブレーキフルードが良い。量は500mLで充分。

 シリンジはプラスチック製の安い物でOKです。先端は内径4mm程度のチューブがしっかり装着できるように5~6mmの外径の物を選ぶと良いでしょう。テーパー状になっていれば更に良いでしょう。シリンジ容量は50mLの物が使いやすいです。透明チューブはブレーキキャリパのブリードニップルの径に合った物を選びます。ZZ-R1100の場合、ニップル径が6mmであったため、それよりも少し細い内径(4mm)のシリコーンチューブを使用しました。下の写真のようなシリンジとチューブがセットになった物も売っていますが、チューブの内径が明示されておらず、結局は細すぎてニップルに入りませんでした。保険で買っておいた4mm径の物を使用しました。

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シリンジとシリコーンチューブ。セットで売っていたがチューブ径が細すぎて使えなかった。

【作業方法】
1.シリンジとキャリパのブリードニップル間を50cm程度の透明チューブで接続する
2.もう1本のシリンジに新しいブレーキフルードを満たしておく

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2本シリンジがあれば、2本目には新しいフルードを入れて供給用として使う。こぼさなくて済むので作業しやすい。

3.フルードが入っているリザーバータンクの周りを養生し、キャップとダイヤフラムを外す

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フルードがこぼれた時のために養生をし、リザーバータンクのキャップを外す(黒いゴムはダイヤフラム)

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ダイヤフラムを外すと茶色に変色したフルードが見える

4.キャリパに接続したシリンジのピストンを少し引いてチューブ内を負圧にしておく
5.ブリードバルブのナットをめがねレンチかスパナを使ってチューブにフルードが出て来るまで緩める

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6.フルードがスムーズに出てきたらシリンジのピストンをゆっくりと引いてフルードを抜く

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シリンジを使って古いフルードを抜き取る

7.リザーバのフルードが底をついてエアを吸い込まないように新しいフルードを別のシリンジからリザーバに注入する
8.抜き取り用のシリンジが一杯になったら負圧を保ったままブリードバルブを閉める
9.一杯になったシリンジをチューブから外し、フルードを廃油受けに捨てる
10.シリンジを再びチューブに取り付け、上記4.~9.を繰り返す
11.上記作業を2~3回繰り返すと変色した古いフルードが出て来なくなり、チューブ内が透明になる
12.透明な新しいフルードしか出て来なくなったら負圧をかけたままブリードバルブを閉める
13.ゆっくりとブレーキ操作をしてエアが噛んでいないことを確認する
14.フルードを規定量に調整する(リザーバーの窓か内壁の線で確認)
15.リザーバータンクのダイヤフラムとキャップを元に戻す

このようにシリンジを使用してキャリパーからフルードを強制的に抜けば、エアを噛むことなく効率的に作業を行えます。何よりもブレーキ操作をする必要がないので、一人で作業する場合に手が届かなくて困ることがありません。注意すべき点はリザーバータンクが空にならないように時々上から新しいフルードを注ぎ足してやることです。空になってしまうとエアを噛んでしまうのでエア抜きが大変になります。供給用にもう1本のシリンジを使えば、リザーバーや車体の周りにフルードをこぼさなくて済むので便利です。ブレーキフルードはこぼしたままにしておくと塗装が腐食しますので、もしもこぼしてしまったらすぐに濡れ雑巾できれいに拭き取っておきましょう。ZZ-R1100のフロントはダブルディスクなので、同じ作業を左右2度行います。リアはシングルディスクですが、両側のポッドにそれぞれブリードニップルがありますので、両側とも同じ作業をします。クラッチはクランクケース左側にブリードニップルがありますので、そこにチューブとシリンジを接続します。フルードの交換作業が終わったら、走り出す前にブレーキやクラッチが正しく動作しているか必ずチェックするようにして下さい。

 今回失敗したのは、前に使っていたフルードとは違う銘柄を使ってしまった点です。上記11.でブレーキ系全体が新しいフルードで満たされるとチューブ内のフルードの色が変わって交換作業の終了ポイントがわかるのですが、写真を見てもわかる通り、劣化したフルードと新しいフルードの色の差が小さくて、全部が置換されたかどうかがはっきりとわかりませんでした。仕方がないのでリザーバータンク3杯分くらい新しいフルードを注ぎ足したところで全部が置換されたと判断しました。まさかヤマハのフルードがこんなに濃い色だとは知らなかったのは不覚でした。

 新しいフルードを入れるとタッチがカチッとして気持ちが良いです。ブレーキフルードはブレーキ内部が錆びないようにある程度の吸湿性を持たせていますが、吸湿した状態でブレーキを酷使するとご存知の通りベーパーロックという現象が起きて制動不能になります。ベーパーロックはブレーキング時に発生する熱により、ブレーキフルードよりも沸点が低い水が沸騰して気体となり、エアを噛んだ状態になる現象です。ブレーキが効かなくなると重大な事故につながりかねませんので、フルードの定期的な交換を心掛けたいと思います。

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